親の老後の生活や介護について考えている方であれば、「グループホーム」という言葉を目にしたことはあるかと思います。しかし、一般的な老人ホームとの違いについて、あまりよく知らない場合もあるでしょう。
この記事では、グループホームに関する基礎知識を解説します。どのような目的の施設か、入居するにあたってはどのような条件があるのか、などを紹介しているので、入居を検討されている方は是非最後までご覧ください。
グループホームについて
グループホームとは、認知症を患った方が入居する施設です。ここでは、少人数でともに暮らしていく中で、各自が自立した生活を送ることを目的としています。
具体的には、約10人未満のグループから構成される「ユニット」ごとに分かれて、シェアハウスの様にアットホームな環境で生活する事ができます。
施設スタッフは認知症の知識を持っており、基本的に24時間常駐しています。必要な時には適切なサポートしてくれるので快適な生活ができるでしょう。認知症に関する悩みなども、気軽に相談することができます。
また、グループホームは、基本的に自分の住んでいる地域に密着した施設です。住み慣れた土地で過ごすことができるため、利用者の精神的にも安心しやすい環境と言えるでしょう。
グループホームの入居条件とは?
グループホームに入居するための条件はあるのでしょうか。ここでは入居前に知っておきたい条件について、詳しく解説します。
認知症の診断を受けていること
認知症の診断を医師から受けていなければグループホームへの入居はできません。
認知症の診断書の発行が必要になので、認知症の症状が出ている、疑いがある状態では入居できません。必ず、診察を受けてからの申し込みをするようにしてください。
また、認知症の進行具合によっては入居を断られる可能性があります。
あくまでも自立した生活ができる事が必要になってくるため、入居前から寝たきりの状態だと、グループホームに入居することは難しいでしょう。
介護認定要支援2以上の認定を受けていること
グループホームに入居するには、要支援2以上の認定が必要で、こちらも医師の診断が必要です。
介護認定は要支援1から要介護5まであり症状によって判断されます。
グループホームに入居するためには、要支援2以上の診断が必要です。具体的には、「日常生活はできるが、立ち上がりや歩行などの補助が必要で運動能力に若干の低下がある状態」が要支援2の状態とされています。
ただし、要支援2以上でも認知症ではない場合や、日常生活ができない場合は入居を断られるので注意しましょう。
原則65歳以上であること
グループホームは原則65歳以上の方と決められていて、65歳未満の方は入居できません。
例外として、65歳未満でも特定疾患と診断された方は入居できる場合があります。
特定疾患とは、初老期認知症や若年性アルツハイマー型認知症などが該当します。65歳未満の方でグループホームを検討されている方は施設によって違うので確認が必要です。
グループホームと同じ住民票であること
グループホームは地域密着性の施設です。そのため、利用者はグループホームがある地域と住民票が同じである必要があります。
これは、グループホームという施設が、住み慣れた地域で自立した共同生活をすることで「認知症の進行を遅らせる」を目的としているためです。
他の老人ホームは、入居時に住民票を移して入居する事が可能ですが、グループホームは一定期間の居住実績が無いと介護保険が適用されない場合があるので注意が必要です。
まとめ
グループホームへの入居にはさまざまな条件がありましたが、前提としては自立した共同生活が目的とされているので共同生活が困難な方は断られる事があります。 身体的に不自由があり、付き添いが常に必要だったり介護度が重かったりすると、他の施設を検討する必要があります。共同生活に問題ないかどうか検討してから施設に確認をしましょう。